The Walking Tour in the Old Rural Community Site of the Postwar Settlement in Shin-nopporo, Hokkaido

We held "The Walking Tour in the Old Rural Community Site of the Postwar Settlement in Shin-nopporo, Hokkaido". Our guide was the young researcher  Taisho Nakayama (Japanese history) . https://nakayamataisho.wordpress.com/



「解散集落・新野幌を歩く」会を決行しました。
解説は北大研究員の中山大将さん(樺太史)。

ここは道立の自然公園になっており、「原始林」が売りらしいのですが、実際に本当の原始林というのは全体で見ると何割かしかなく、実は戦後入植者、引揚者の集落がこの森の中を開墾して暮らしていたといいます。
1968年(昭和43年)に「北海道百年」を記念して道立自然公園に指定され、集落は解散したそうです。
多くの入植者は農業の経験がなかったし、ここは湿潤&高地だそうなので、水を引く、水はけを良くする等々にも苦労する土地だったそう。
中山さんが聞き取りをした方の中には「とにかく貧しく、食べるものも選べなかった」という声もあったそう。
一方、そんな戦後の入植者には軍上がりの人々が含まれていたこともあり、元火薬技師・寺崎さんという方がリーダーシップをとり、戦後に余った爆薬で切り株をまるごと抜根する実験を行ったりもしたそうな。
手掘りの120倍の早さで農地化が進んだといいます。長万部の平里開拓での抜根はすべて手掘り。掛川源一郎の撮った平里の開拓民の写真を思い出すと、、、野幌は文字通りぶっ飛んでます。
彼らは徐々に農業ではない仕事で収入を得るようになり、解散を受け入れる時には、俺らはここで農業を…という強い気持ちはそれほど無かったそう。
実際に中山研究員のご家族が暮らしていた集落だったとのことで、史実に基づいた知識と実際に聞き取りしたという集落の方々のお話が交錯しているのがよかったです。

最近北海道で見たものとしては、福島町の道立自然公園エリアになった集落跡、占冠のトマム地区道有林の営林署周りの集落跡も「植物の痕跡以外に何もない」という点で見応えがありました。
今年の9月、美術作家岡部昌生さんの作品を前に、「札幌で語る<近代>」と称して行われた対談会、そこで管啓次郎先生(詩人、翻訳者、比較文学者)の紹介してくれた"Re-wilding"というキーワードがあります。こういった土地に行くと、頭に浮かび、、、気になっています。様々な土地、人の痕跡の消えゆく場所をこうして目の前にすると、北海道の過去今未来を貫いて、強く響く言葉のような気がします。

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